子どもが大きくなり1人で本を読めるようになると、読み聞かせをいつまで続ければいいのか悩んでしまうパパ・ママもいるでしょう。
この記事では元保育士で子育て中の筆者が、読み聞かせ卒業の目安や、長く読み聞かせを続けるメリットを解説していきます。
1人読みへの誘導方法も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事を読めば、読み聞かせを卒業するタイミングが分かり、自信を持って読み聞かせを続けられますよ!
元保育士のwebライターです。
読み聞かせボランティアの経験もあります。
読み聞かせの卒業時は子どもが決めた時
読み聞かせを卒業するのは、子どもが読み聞かせを必要としなくなった時がおすすめです。
文字が読めるようになってからの読み聞かせ継続にはさまざまなメリットがあります。一方で、子どもが嫌がっているのに読み聞かせを強制すると、子どもが読書も嫌いになってしまうおそれがあるからです。
実際、文部科学省が行なった調査(※1)では、「3歳になるまで」「小学校高学年まで」という回答があり、読み聞かせ卒業の時期には個人差があることが分かります。
したがって、子どもが読み聞かせを必要としなくなった時が、読み聞かせの卒業時と言えるのです。
なお、読み聞かせを続けていても、外では自分で読みますし、小学校で音読の宿題も出ます。
そのため、読み聞かせを長く続けることで「子どもが1人で本を読まなくなるんじゃないか」と心配しなくても大丈夫でしょう。
文字を読める子に読み聞かせをするメリット
以下では、文字を読める子に読み聞かせをするメリットを3点紹介します。
・子どもがストーリーを楽しめる
・親子のふれあいの時間ができる
・子どもに読書習慣がつく
子どもがストーリーを楽しめる
文字を読める子にも読み聞かせをすることで、子どもがストーリーを楽しめ、本に集中できる効果があります。
1人で本を読む場合は、子どもは文字を追うことに集中してしまい、絵や内容にまで気を回すことが難しいこともあります。
読み聞かせをしてもらうと、絵を見たり想像力をふくらませたりしながら、物語が楽しめるようになりますよ。
親子のふれあいの時間ができる
読み聞かせを続けると、親子のコミュニケーションの時間を作れます。
親子の関わりは、子どもが成長し1人でできることが増えるにつれて、徐々に減っていくものです。
そのような中、読み聞かせを続けることで、親子の時間を自然に作れます。
親子の時間を作ると、子どもは親の愛情を感じられますし、親は子どもの異変に気が付きやすくなりますよ。
子どもに読書習慣がつく
読み聞かせをしている期間と、子どもの読書習慣には、密接な関係があります。
文部科学省は、読み聞かせをしていた期間と、子どもが1ヶ月の間に読んだ本の冊数の関係について以下のように分析しています。
保護者が読み聞かせをしていた時期と、児童・生徒が1ヶ月の間に読んだ本の数の関係をみると、読み聞かせをしている期間の長い児童・生徒の方が一か月の間に読んだ本の冊数が多くなるという傾向が見られる。
文部科学省「親と子の読書活動等に関する調査」:https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/houkoku/05111601/003/004/002.htm
したがって、長期にわたり読み聞かせをした場合、子どもに読書習慣がつきやすいと言えるでしょう。
もちろん、「読み聞かせ」自体にもさまざまな効果があります。以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてください!
関連記事:
読み聞かせって本当に効果あるの?研究論文に基づいて元保育士が解説
1人読みの楽しさも教えよう
読み聞かせも大切にしたいけど、1人で本を読めるようになって欲しくもあるのが親心。
ここからは、1人で本を読むようになるための方法を3点紹介します。
・子どもの興味のある本を目につくところに置く
・子どもに読んでもらい、褒める
・親子で交互に読む
子どもの興味のある本を目につくところに置く
まずは、子どもが1人で読んでも楽しめる本と出会えるように、子どもの興味がありそうな本を目につくところに置いてみましょう。
この時、本の表紙が見えるように飾るのがポイントです。
本の表紙には目を引く工夫が凝らされていて、子どもの関心をひきやすいからです。
本の内容は、子どもが楽しめるものであれば、どのようなものでも構いません。迷った場合は、以下のポイントを参考にしてみてください。
・子どもの興味あるジャンルのもの
・短く一気に読めるもの
・文字が大きいもの
・仕掛けなどが楽しめるもの
子どもに読んでもらい、褒める
子どもに本を読んでもらい、褒めるのも1つの手です。
子どもは親に褒めてもらうことで自信をつけ、「もっとやってみよう!」とチャレンジ精神を育てていきます。
子どもに本を読んでもらった後に「ここのセリフが上手だったよ」「最後まで読めたね」と具体的に褒めてあげてください。
子どもは「次も読もう!」という気持ちになるはずです。
親子で交互に読む
いきなり全部1人で読ませるのではなく、親と子どもで交互に読むのもおすすめです。
親が楽しそうに取り組む姿を見せることで、子どもも自然に興味を持って取り組むようになりますよ。
1文ごとに分ける、セリフだけ親が読むなど、どのような分担方法でも構いません。
親子で楽しく1つのお話を作りあげてくださいね。
音読の宿題を嫌がる子どもを誘うときにも使えますよ!
読み聞かせを長く続けよう
この記事では、読み聞かせ卒業は子どもが決めるということや、長く読み聞かせを続けるメリットを解説してきました。
読み聞かせを長く続けると、子どもがストーリーを楽しめ、子どもに読書習慣がつくなどのメリットがあります。
また、読み聞かせを続けていても、子ども1人で本を読む機会はたくさんあるため、「1人読みをしなくなるのでは」という心配はいらないでしょう。
子どもが「もう読み聞かせしなくていいよ」と言うまで、なるべく長く読み聞かせをして、素敵な読み聞かせの時間を積み上げてくださいね。
読み聞かせの時間は、親にとっても大切な思い出になりますよ!
参考文献
※(1)文部科学省「親と子の読書活動等に関する調査」